PH9.0

20代の男の日々の雑記です。

メモ

なぜユーゴスラビアではイスラムの問題が起きたのに、ソ連では起きなかったのか。トッドによれば、ユーゴでは共産主義の崩壊とイスラム系住民の識字化による移行期的混乱が同時に起きたが、ソ連では共産主義の崩壊以前に共産主義が移行期の混乱を抑え込んでいたからだそう。確かにソ連共産党の方が権力が強くて、早期に教育に力を入れたし、それによる民族主義の勃発も権力によって抑え込んでいたのかもしれない。ユーゴについてはキリスト教系住民が高等教育化して脱共産化したタイミングでイスラム系住民が初等教育化の段階に入り、脱共産化とイスラム民族主義的な移行期の混乱が併発したのだろう。また、キリスト教地域にしてもこれまで共産主義によって抑えられてた分、初等教育的な民族主義と高等教育的な脱共産化が同時に訪れて、イスラム民族主義と対立したのだろう。そう考えるとソ連は比較的スムーズに脱共産化したのだろう。イスラム地域の混乱はなかったのだから。